最近は「花離れ」とも言われ、根つきの花は手間がかかるからと敬遠されがちです。
けれども、土に根を張った花だからこそ、季節の移ろいをそのまま映し出してくれます。
ほんの少し目を向けるだけで、暮らしの中に小さな驚きや癒しが広がります。
今年の9月は、まだ夏みたいですね。
それでもお彼岸を過ぎる頃の庭は、夏の名残りに秋の気配が重なります。
朝夕の涼やかな風や、光のやわらぎに、自然の移ろいを感じる瞬間があります。

ケイトウとムラサキゴテン

シュウメイギク
そんな季節を楽しむのにぴったりなのが、
庭の「秋色の花重ね」。
庭に咲いたケイトウの赤やオレンジ、白のシュウメイギク、リコリス(彼岸花)の鮮やかな赤、コスモスのピンク色…。
ムラサキゴテンの濃い紫色もありました。
自然が描く色合いをそのまま重ねるだけで、小さな庭にも秋の物語が広がります。

秋色のジニア

センニチコウとガウラ
そこに実や葉を少し添えると、さらに深まりが増します。
アメリカヅタ、ノブドウ、バラの実、ミズヒキの姿も、秋を語ってくれる存在です。

ノブドウ
秋は、色と色が重なり合い、やさしい景色を見せてくれる季節。
庭にある花や実に目をとめるだけで、秋の彩りが感じられます。
庭に立ち、咲く花や実を眺めながら深呼吸する――そんなひとときは、庭で秋を楽しむ時間そのもの。
特別な手を加えなくても、ほんの少し目を向けるだけで、日常にやさしい彩りが加わります。

秋色の寄せ植え
日々の忙しさをちょっと忘れて、
「秋色の花重ね」で癒しの時間をどうぞ。